ドックベストセメント?3Mix?MTA?
虫歯が神経まで達した場合、一般的には抜髄(神経を取る治療)を行いますが、神経を残すことを目的とした治療法もいくつかあります。
代表的なのが以下の3つです。
■ ドックベストセメント
虫歯をあえてすべて除去せず、銅イオンの抗菌作用で虫歯菌の活動を抑え、神経の保存を目指す方法
■ 3Mix(スリーミックス)
虫歯を完全には除去せず、複数の抗生物質を用いて細菌をコントロールし、神経の保存を目指す方法
■ MTA
虫歯をしっかり除去したうえで、露出した神経(露髄部)をMTAで保護し、神経を残す方法
なお、当院ではドックベストセメントと3Mixは行っておらず、神経保存を試みる場合は主にMTAを使用しています。
MTAは状態によって成功率が左右されるため、やってみないと分からない部分もあります。
露髄が大きい場合などはうまくいかず、最終的に抜髄になることもあります。
そのため、「神経が残せたらラッキー」くらいの認識で考えていただくのが現実的です。
一方で、「どうしても神経を残したい」という場合には、ドックベストセメントや3Mixといった選択肢を検討するのも一つだと思います。
私がこれらを行っていない理由としては、虫歯を完全に取りきらないことにどうしても違和感があるためです。
虫歯は柔らかくなった歯質で、例えるなら“腐って柔らかくなった木”のような状態です。
それをあえて残すことに、個人的には抵抗があります。
理論としては理解していますが、最終的には治療方針や考え方による部分も大きいと思います。
いずれの方法も、歯の寿命を延ばすことを考えた治療法である点は共通しています。
井上歯科クリニック 学芸大学
院長 嶋本誠



